「ゼロカット」は海外FXを語るうえで必ず登場する言葉ですが、ロスカットや追証との違いを正確に理解している人は意外と多くありません。ゼロカットの仕組みを、ロスカットや追証との違いから順番に解説します。

ゼロカットとは

ゼロカットとは、相場の急変動などで口座残高がマイナス(マイナス残高)になった場合に、ブローカーがそのマイナス分を負担して残高をゼロに戻す仕組みです。日本語では「ゼロカットシステム」と呼ばれることが多いです。

たとえば、10万円を入金して取引していた口座が、急激な相場変動で**−5万円のマイナス残高**になったとします。ゼロカット対応のブローカーであれば、このマイナス分はブローカー側の負担となり、口座残高は0円にリセットされます。追加でお金を払う必要はありません。

追証(おいしょう)とは

追証とは「追加証拠金」の略で、証拠金が不足した場合に、追加の資金を入金する義務のことです。

国内FXでは、ロスカットが間に合わず口座残高がマイナスになった場合、そのマイナス分を入金する「追証」が発生することがあります。これに対し、ゼロカット対応の海外FXでは追証の請求がありません。**「ゼロカット=追証なし」**という関係です。

ロスカットとの違い

ロスカットは、証拠金維持率が一定水準(ブローカーにより20%〜50%)を下回ったときに、保有中のポジションを自動的に強制決済する仕組みです。ロスカットはあくまで「損失をこれ以上広げないためにポジションを強制クローズする」もので、残高がマイナスにならないようにするものではありません。

両者の関係は以下のとおりです。

仕組み役割
ロスカット証拠金維持率が基準を下回るとポジションを強制決済
ゼロカットロスカット後も残高がマイナスになった場合に残高をゼロに戻す

相場が穏やかに動いている間はロスカットが機能するため、残高がマイナスになることはほとんどありません。しかし、ニュース発表時などの急激な相場変動では、ロスカット注文が約定する前に価格が大きく動くことがあり、その際にマイナス残高が発生することがあります。ゼロカットは、このようなケースでの追証リスクをなくすための仕組みです。

ゼロカットの流れ

  1. 相場の急変動が発生
  2. ロスカットが間に合わず、口座残高がマイナスになる
  3. ゼロカットが適用され、残高が0円にリセットされる
  4. 追加の入金義務(追証)は発生しない

ゼロカットの適用条件に注意

ゼロカットを採用しているブローカーでも、適用条件はブローカーによって異なります。代表的な違いは以下のとおりです。

  • プロ口座・VIP口座は対象外:プロ向け口座ではゼロカットが適用されない場合がある
  • スワップフリー口座は条件付き:イスラム口座では適用条件が異なる
  • 特定の商品のみ対象外:暗号資産CFDなど一部の商品が対象外の場合がある
  • ゼロカットが無いブローカー:Swissquoteなど一部のブローカーはゼロカットを採用していない

ゼロカットの有無や適用条件は、各ブローカーの規約(利用規約・口座契約)で必ず確認してください。各ブローカーのゼロカット対応状況はブローカー一覧の各ページに掲載しています。

ゼロカットを採用しているブローカーの例

ゼロカット(ネガティブバランス保護)を公式に明記しているブローカーの例:

  • XMTrading:マイナス残高リセット(ゼロカット)対応
  • AXIORY:ネガティブバランス保護あり
  • IronFX:ゼロカットシステム採用(追証なし)
  • Traders Trust:Negative Balance Protection(初回入金額超の損失なし)

※2026年8月時点の公式記載に基づきます。利用前に必ず各ブローカーの規約を確認してください。

ゼロカットがあっても、入金額を超える損失のリスクが「ゼロになる」わけではなく、証拠金の大部分を失う可能性はあります。資金管理を怠らないことが大前提です。レバレッジの仕組みとあわせてレバレッジガイドも確認してください。